銀行口座のトラブルについて

　最近、ドジャースの大谷翔平選手の銀行口座から第三者が大金を送金した事件が毎日の様に取り沙汰されていますが、銀行口座に関連するトラブルは一般人にも無縁ではありません。

　トラブルの種類としては、大きくは２つあり、１つは「管理を任せていた者に裏切られた場合」、もう１つは「第三者に悪用された場合」です。　

　前者のケースとしては、高齢の親に代わり身内が銀行口座を管理する場合、会社から経理を任され会社の銀行口座を管理する場合等があります。これらのケースでは、「相続」「懲戒解雇」の場面にて、使途不明金や横領といった形で問題となることが多く、当事者による平穏な和解が見込めない場合には「刑事事件」に発展することもあります。

　後者のケースとしては、①全く知らない第三者や代理人弁護士より犯罪に利用されたとして銀行口座を凍結され、その後、多額の損害賠償請求を受けるケースや②警察から犯罪に利用されたとして銀行口座を凍結され、その後、事情聴取を受けるといったものがあります。これらの類型は、最近、当職が非常に多くご相談いただくものです。意図的に通帳を第三者へ売却したような方は自業自得といえますが、ご相談者の多くは知らない間に第三者に銀行口座を悪用されてしまったケースが多いです。悪用されるに至った経緯としては、元々はご相談者自身も詐欺の被害者であったところ、加害者より返金に応じる等と言葉巧みに口座の管理を任せるところまで誘導されてしまい、新たな被害者からご相談者の銀行口座へ送金され口座が凍結されたものや、中には、ただ通帳を落としてしまい数日後に気づいたが既に悪用されていたような場合もありました。

　いずれのケースにつきましても、民事上の責任にとどまらず刑事上の責任追及を受ける可能性がある案件となりますので、問題が生じた際には早期かつ適切な初動が求められます。そのため、銀行口座のトラブルにお悩みの方は、なるべくお早めにお近くの弁護士へご相談されることをお勧めします。当職は、新宿にて執務を行っておりますが、基本的には全国対応にてご相談および案件対応を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。