新宿区の弁護士が貞操権侵害を解説
2024/12/08
マッチングアプリに潜む男女トラブル
貞操権侵害をご存じですか?
「貞操権侵害」をご存じですか。
今日、マッチングアプリの普及により容易に他人と知り合うことができるようになりました。
中でも婚活アプリを用いて真剣に将来のパートナーを探されている方も増えているのではないかと思います。
そのような中、近年、当職の下へは「実は交際相手は既婚者だった。」「独身と騙されて交際していた。」という内容のご相談が多く寄せられるようになりました。
ご相談内容は大きく「金銭問題タイプ」と「肉体関係タイプ」の2つに分けられます。
本日は、後者にスポットを上げてみたいと思います。
法的な問題点は何か。
肉体関係タイプのご相談の法的な問題点は何かと申しますと、「貞操権侵害」になります。
貞操権侵害とは、簡単にいいますと交際相手が既婚者と知っていたならば肉体関係を許さなかった(性的自己決定権の侵害)というものです。
以下の要件を満たした場合、相手方の行為は民法上の不法行為(民法709条)に当たり、相手方に対して慰謝料を請求することが可能になります。
相手方が独身を装い真剣な交際を申出てきたこと
相手方が独身であると信じて、真剣に交際していたこと
肉体関係をもったこと
慰謝料の相場
貞操権侵害における慰謝料の相場は、数十万円から200万円程度といわれています。
貞操権を侵害されていた期間・回数、妊娠・中絶の有無などの諸事情により悪質性が高いと判断されれば高額となります。
不貞行為との関係について
結果的に既婚者と肉体関係をもっていたことになるため、相手方の配偶者から不貞慰謝料請求がなされる可能性は排斥できません。
しかし、不貞慰謝料請求が認められるのは、「既婚者と知っていた(若しくは既婚者と知ることができたにもかかわらず調査を怠った)」上で、肉体関係を持った場面です。
そのため、相手方が既婚者であることを秘し、独身を装い交際を持ちかけてきた貞操権侵害の場面では、原則として、相手方配偶者からの不貞慰謝料請求は退けられます。
この点について、相手方が独身を装って交際を持ちかけてきたことや、相手方に対して独身であることを確認しているLINE、メール、録音などの証拠があれば安心でしょう。
もっとも、交際期間の途中で相手方が既婚者であることに気づいていたり、相手方から既婚者であることを打ち明けられたりしているにもかかわらず交際を継続してしまった場合には、少なくとも既婚者と知って以降の肉体関係については不貞慰謝料の支払義務を免れられなくなるので注意が必要です。
まとめ
交際相手が実は既婚者であった場合には貞操権侵害を根拠に慰謝料請求を行うことが可能です。
半面、相手方の配偶者より不貞慰謝料請求を受けてしまうリスクもあります。
そのため、貞操権侵害の慰謝料の請求と不貞慰謝料の請求を受けた場合を総合的に考慮した判断が求められます。
なかなかに難しい問題であると思いますので、お一人で悩まずに当職までお気軽にご相談ください。
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